ムードン音楽院レッスン日記~発明家エディソンの名前をもらった作曲家、デニゾフの『クラリネット・ソナタ』
今日からレッスンを始めた曲は、ロシアの作曲家エディソン・デニソフが書いた『クラリネット・ソナタ』です。
デニソフは1929年、放射線の専門家である物理学者の家庭に生まれ、彼の親はあの有名なアメリカの発明家エディソンにあやかって、その名前を子供の苗字につけてしまい、エディソン・デニソフとなりました。
デニソフは最初は数学を専攻して博士号も取得したのですが、ロシアの作曲家ショスタコーヴィッチの支えもあり、作曲家になることに決めました。
昔数学を勉強していたことが、後の作曲に影響を与えることになるのです。
そしてモスクワ音楽院を卒業すると、この音楽院の教員に採用されました。
彼はロシアの作曲家はもちろん、ドビュッシーやブーレーズなどフランスの音楽家にも影響を受けており、後にフランスに移住することになります。
フランスでもたくさんの作品を書きましたが、自動車事故の後遺症により1996年に亡くなりました。
彼の作曲の仕方は、最初は12音技法を音の強さ、長さ、音色などにも使うポスト・セリエリズムというやり方で作曲していたのですが、後にその型にはめられないやり方で作曲をし、叙情を大事にしました。
そんな彼が1972年に作曲した『クラリネット・ソナタ』はとても美しい曲で、その美しさはうわべのきれいな音だけではなく、きれいな考えが入っているのだそうです。
1楽章はノスタルジックで表情豊かに。
拍子はなく、4分の1音がたくさん出てきます。
4分の1音とはこんな記号を使い、♯、♭の半音だけでなく、さらにその半音を出します。
指使いは普段使っているものとは違うので、さらに難しくなります。
2楽章は速くて、拍子が目まぐるしく変わり、音が高音から低音まで急激に行ったり来たりする曲となっています。
曲全体がシ♭を中心にしていて、1人で演奏しているのに、まるで何人かで演奏しているように聞こるのです。
わたしは日本の大学時代、あまりこういう現代音楽をやってこなかったので、曲を理解してさらうだけでも精一杯、、
でも、少しずつわかってくると面白くて良い曲だなと思います!
これから、いろんな現代曲にも挑戦していきたいです(*´∀`人 ♪
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