クラリネットの名曲♪ドビュッシー作曲『第一狂詩曲』~かえ指もご紹介します
クラリネットのための名曲、ドビュッシー作曲の『第一狂詩曲』。
リサイタルで演奏されたり、コンクールの課題曲にもなったり、色彩豊かで美しくてクラリネット奏者に人気の高い曲です。
今回はこの曲について詳しく書いてみたいと思います!
ドビュッシーってどんな人?
ドビュッシーは、フランス人作曲家です。
彼はパリの郊外、サン=ジェルマン=アン=レーという街で生まれ、2歳までここに住みます。
彼が生まれた家は現在ドビュッシー博物館となっているんです。
そしてわずか10歳で、フランスで最高レベルの音楽院であるパリ音楽院に入学し、ピアノとピアノ伴奏を学びます。
作曲も始めると、作曲家にとって最高の賞であるローマ大賞を受賞してしまいました。
ドビュッシーは「印象派」の作曲家と言われ、彼特有の音階を使い、機能和声にとらわれない自由な作曲方法で曲を書きました。
なので、ドビュッシーの作品は、彼が作曲したものだとすぐにわかるくらい特徴的です。
彼の作品は『2つのアラベスク』、『牧神の午後への前奏曲』『海』など、クラシック曲に詳しくない人でも、どこかで耳にしたことのあるような名曲がたくさん!
『第一狂詩曲』はどんな曲?
『第一狂詩曲』はクラリネットとピアノのために書かれた曲です。
第1とつけられていますが、第2はありません、、
ドビュッシーがこの曲を書いた理由は、パリ音楽院の卒業試験のため!
パリ音楽院の卒業試験の課題曲は、伝統的に審査員が作曲することになっていて、ドビュッシーはフォーレに推薦されて審査員をしたので、この曲を書くことになりました。
この曲はとっても繊細で、ロマンティックで美しい曲です。
ドビュッシー本人もこの曲のことを、「私の書いた作品のなかでも最も愛すべきもの」と言っているほど。
でも、繊細というだけあって、演奏するのはものすごく難しい!
なので現在も、たくさんのクラリネットのためのコンクールで、この曲が課題曲となっているのです。
この曲で使えるクラリネットの変え指
このドビュッシー作曲の『第一狂詩曲』は、いろんな先生にレッスンしてもらってきました。
その中で、この曲を美しく演奏するために教えてもらった、クラリネットの変え指をいくつかご紹介したいと思います!
(楽譜の写真は、わたしの汚い楽譜を使っていて申し訳ありません、、)
まずは、最初から41小節目の高いミ♭。
この指を使えば、普通の指より滑らかに演奏できます。
その代わり、あまり音程は良くないので口で調整が必要です。
次に、72小節目のラ♯とシのトリル。
この指を使うことで、トリルは速くできるし、次のド♯にもいきやすくなります。
そしてその4小節後のラ♯は先程のトリルでも使ったこの指を使えば、滑らかに音がつながります。
この指は「F1」とも呼ばれます。
さらにその6小節後にド♯の装飾音符がありますが、この指を使えば簡単にできます。
ただこれもあまり音程が良くないので、「すばやく吹いて上手くごまかせ」と先生に言われました。
127小節目のシ♭とドのトリルは、普通ではあまり使わないこんな指でトリルをします。
そして最後から3小節の高いソの装飾音符は、何も押さずに倍音を出します。
装飾音符の後の大事なミ♭まで、倍音が出てリードミスにならないよう要注意です。
まとめ
美しいけど難しくて奥が深いこの曲。
何度練習しても飽きない素敵な曲です(o^^o)
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ミシェル・アリニョンの至芸〜フランス音楽の伝統〜
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ドビュッシー: 第1狂詩曲/デュラン社/ピアノ伴奏付クラリネット・ソロ