モーツァルトはクラリネットが大好きだった?モーツァルトとクラリネットとの関係を探ってみよう!
晩年にクラリネットの作品を書いた作曲家はたくさんいました。
ブラームスやサン=サーンス、プーランクなど、、
そしてあの有名な作曲家、モーツァルトもそのうちの一人でした。
(写真:”https://ja.wikipedia.org/wiki”より)
クラリネットの音に魅了されて、クラリネットのために素敵な作品を書いたのです。
今回は、そんなモーツァルトとクラリネットの関係を書いてみたいと思います!
当時はまだ新しい楽器
クラリネットの原型が出来上がったのは18世紀の初め頃。
そしてモーツァルトが生まれたのは1756年。
モーツァルトの時代、クラリネットはまだ登場したばかりの新しい楽器だったのです。
モーツァルトと名クラリネッティストとの出会い
作曲家は、自分が気に入る演奏家を見つけると、その人のために曲を書きたくなるようで。
1780年頃モーツァルトは、当時ウィーン宮廷楽団に仕えていたクラリネットとバセットホルンの名手アントン・シュタードラーに出会います。
モーツァルトはシュタードラーへこんな手紙を書きます。
あなたの音は柔らかく繊細で、心ある者は抗うことができません”
よほどシュタードラーの音色に惚れてしまったのですね!
そんな美しいクラリネットの音色に出会ってしまったからには、モーツァルトはクラリネットのための新曲を書かずにはいられません。
クラリネットの名曲が完成
ということで、早速クラリネットの曲を作曲!
1789年9月29日に『クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581』を完成させます。
この曲は、シュタードラーのために書かれたので『シュタードラー五重奏曲』という愛称でも呼ばれます。
『クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581』↓
そしてその2年後の1791年、9月22日〜11月15日の間に出来上がったのが、『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622』。
こちらももちろんシュタードラーのために書かれた曲!
『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622』↓
2曲とも、当時シュタードラーが使っていたバセットクラリネットという楽器のために書かれ、クラリネット奏者にとってなくてはならない名曲!
現在でもコンサートではもちろん、コンクールの課題曲としても頻繁に演奏されます。
ちなみにバセットクラリネットはこんな楽器です↓
(写真:”https://ja.wikipedia.org/wiki”より)
自筆譜は消失、、
しかし残念ながらどちらも自筆譜は消失してしまっています。
そんな大事なものがどうしてなくなってしまうんだ、、と思いますが。
その原因はクラリネット奏者シュタードラーにあったかも?と言われています。
シュタードラーはクラリネットの腕は素晴らしいものでしたが、私生活上の問題は多く、借金もあり、もしかするとモーツァルトがシュタードラーのために書いた楽譜を売ってしまったのではないかなんていう説もあります。
実際はどうだったのかはわかりませんが笑
とても残念ですよね、、
モーツァルトはクラリネットの低音が好きだった?
(写真:”https://ja.wikipedia.org/wiki”より)
シュタードラーの音色に惚れ込んだモーツァルトでしたが、彼は特にクラリネットの低音が大好きだったそうで、彼のオペラやいくつかの作品の中に「バセットホルン」を登場させています。
バセットホルンは17世紀後半に登場した楽器で、当時のクラリネットの中で低い音域が出る楽器です。
彼がバセットホルンを取り入れた曲の中でもわたしが好きなのは、「セレナーデ第10番変ロ長調K.361『グラン・パルティータ』」!
オーボエ2、クラリネット2、バセットホルン2、ホルン4、ファゴット2、コントラバスの13人で演奏する珍しい編成の曲で『13管楽器のためのセレナード』とも呼ばれます。
この曲は、クラリネット五重奏曲やクラリネット協奏曲よりも少し前に書かれ、初演はシュタードラーとウィーンの宮廷楽団のメンバーで行われました。
クラリネット属の楽器が4本も登場し、なかなか注目されることのないバセットホルンも大活躍しています!
セレナーデ第10番変ロ長調K.361『グラン・パルティータ』↓
まとめ
モーツァルトがクラリネットを好きになってくれて、素敵な曲を残してくれたから、現在わたしたちはクラリネットという素晴らしい楽器の魅力を感じ、さらに追及し続けることができます。
モーツァルトの曲はシンプルで美しくて、いろんな解釈があるので演奏者それぞれの個性がしっかり出る曲です。
そんなモーツアルトの曲をもっともっと美しく演奏できるように、日々精進していきたいと思います(o^―^o)♪