フランスの音楽院の修了試験って何をするの?
わたしは現在、フランスのムードン音楽院とヴェルサイユ音楽院に通っているのですが、来月その2つの学校で「Perfectionnement」という課程の修了試験を受けることになっています。
最近その曲目がようやく決まりました!
先週、室内楽を試験で一緒にやる予定だった子が急に自分の国に帰ることになり、曲を変えなければいけなかったりと大変なこともありましたが、なんとか2つの音楽院の試験のプログラムを組むことができました。
ということで今回は、フランスの音楽院の修了試験について書いてみたいと思います。
修了試験が行われる時期
フランスの音楽院の修了試験が行われるのは、大抵6月半ば~7月頭辺り。
その日にちが決まるのが3月ごろなので、それまでに修了試験を受けるかどうか決めないといけません。
わたしの場合は、ヴェルサイユ音楽院では、2年まで在籍できる課程だったのですが、日本に帰国することを決めていたので1年目で修了試験を受けさせてもらえました。
そうやって、自分の好きな年に修了試験を受けて、合格すれば修了証をもらえるというのは、とてもありがたいことでした♪
試験では何をするの?
修了試験では、わたしがとっているPerfectionnementという課程の場合は、リサイタル形式!
演奏する曲を自分で決めて1つのコンサートを作り、それを審査員が聴いて成績をつけるというものです。
わたしが受けるムードン音楽院とヴェルサイユ音楽院では、少しだけ試験のルールが違います。
- 30分以内でプログラムを組み、1曲は必ず室内楽を入れる。
- ソロ曲のピアノ伴奏者は学校の専任伴奏者がやる。
- 25分以内で好きなようにプログラムを組む。
- 伴奏者は自分で探す。
この試験のルールも、年によって違ったりするので、試験を受けることが決まってから先生に教えてもらって、先生とも相談しながらプログラムを考えます。
審査員は?
審査員の人数は学校によって異なりますが、わたしの受けた学校は、毎年大抵3〜5人くらいでした。
- 外部のクラリネット奏者やクラリネットの先生が2、3人と学長。
- 自分の先生は審査をしない。
- ヴェルサイユ音楽院のクラリネットの先生、学長など学校内の偉い人。
成績のつけ方
フランスの学校の成績のつけ方は基本、
- Très bien →とても良い
- Bien →良い
- Assez bien →まあまあ良い
でつけられます。
フランスのバカロレアなんかもこれで成績がつくんだそうです。
どの成績を取れば修了できるのかは、学校や課程によって違います。
例えば、Assez bienを取ったときに、合格となる学校もあれば、不合格となる学校もあります。
わたしが演奏する曲目
では、わたしが今年の修了試験で演奏する曲目をご紹介します!
- 協奏的大二重奏曲(Grand Duo Concertant) / カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber)
- 無伴奏クラリネットソナタ(Sonate) / エディソン・デニゾフ(Edison Denisov)
- 10の2重奏曲(10 Duos)より5,6,8,10 / フィリップ・エルソン(Philippe Hersant)
- 3重奏曲6番(Trio No.6) / ジャック・ブーフィル(Jacques Bouffil)
- 無伴奏クラリネットソナタ(Sonate) / エディソン・デニゾフ(Edison Denisov)
- 演奏会用小品(Concertstuck) / ガロワ・モンブラン(Gallois Montbrun)
- 10の2重奏曲(10 Duos)より5,6,8,10 / フィリップ・エルソン(Philippe Hersant)
2つの試験の日にちの間が1週間しかないということで、2曲は同じ曲に。
ムードンでは、ロマン派と近現代の作曲家を混ぜたプログラムにしました。
室内楽は、クラリネット2重奏と3重奏の2曲を少しずつ演奏します。
ヴェルサイユは近現代の作曲家ばかりで時代は偏ってしまいましたが、無伴奏、ピアノ伴奏付き、クラリネット2重奏と、全部編成を変えたので飽きずに聴いてもらえるかなと思います。
まとめ
試験は審査員の先生たちだけでなく、外部の人や生徒などがお客さんとして聴きにきたりもするので、普通にコンサートをやるような感じです!
とても緊張しますが、留学生活の集大成となる良い演奏ができるよう、あと2、3週間頑張りたいと思います(*´ω`*)