変わり者の天才フランス作曲家、サティが住んでいたアルクイユの家へ
パリから南に2kmほど行った郊外にある、Arcueil(アルクイユ)という街。
この町にはかつて、フランスを代表する作曲家エリック・サティが住んでいて、今でもその証が残っています。
そんな、アルクイユのサティが住んでいた家を訪れてきました!
サティが住んでいた家に行くには、パリからRER B線に乗り、La Place駅で降ります。
この駅から歩いて10分ほどです。
アルクイユの住宅街はとっても静かで素敵なところ。
鳥の鳴き声もたくさん聞こえました。
サティが生きていた19世紀~20世紀前半ごろのアルクイユは工業地帯の一部で、工場労働者向けのアパートがたくさん建っている暗い町でしたが、今は静かでのどかな町になっています。
到着!!この真黄色の建物がサティが住んでいた家です。
入口にはサティが飾られているので、すぐにわかります♪
芸術家の集まるパリ、モンマルトルのキャバレー「黒猫」でピアノを弾いていたサティは、1898年の12月にアルクイユのこの家へ移りました。
彼はこの、労働者向けのアパートの一室に、32〜59歳の27年間住んでいました。
部屋は15平方目メートルしかなく、水も電気も通っていなかったんだそうです。
しかも、彼が働いていたパリのキャバレー「黒猫」までは歩いて2~3時間。
それでも彼は生活のために歩き、ピアノを弾き続けていました。
家の上に飾られているプレートには、
『4本の煙突の家 アルクイユは、サティのたくさんの作品を感動しながら思い出す』
と書いてあります。
4本の煙突の家というのは、このアパートの屋上に4本の煙突が並んでいたので、ご近所さんたちからそう呼ばれていたんだそうです。
入口の近くにはこんなプレートが。
『サティは人間に見せかけている、アルクイユの天使です』
サティは今でもアルクイユの人たちから、とても大切にされているのですね!
横に書いてあったのは、
『傘をエレベーターの中に忘れました…傘は僕のことを心配しているだろう エリック・サティ』
サティは傘のコレクターでした。
彼が亡くなった後に家の中を整理すると、100本ほどの傘がでてきたんだそうです。
そのほとんどが未開封だったんだとか。
この時代に変わり者と呼ばれ、生まれるのが早すぎたとも言われる天才作曲家サティ。
彼の足跡をたどりながら、彼の音楽を少しでも理解できるようになれたら良いなと思います。
エリック・サティが住んでいた家(Ancien appartement d’Erik Satie)