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今も受け継がれるヴェルディの情熱。ミラノの音楽家憩いの家

イタリアを代表するロマン派作曲家ジュセッペ・ヴェルディが建てた、音楽家憩いの家(Casa di Riposa per Musicisti)というのがミラノにあります。
  
  
ここは音楽家のための老人施設で、現在はここに15人ほどの退職した音楽家の先生と、音楽を勉強中の15人ほどの若者が一緒に練習したりご飯を食べたりしているのだそうです。
  
ここで、退職した音楽家は次世代を担う若者に指導し交流することで活気をもらえ、勉強中の若者は大先輩から音楽を学ぶことができるのです。
  
  
ヴェルディはオペラの作曲と同じくらいこの施設の建設に情熱を注いだのだそうで、彼にとって重要だったこの場所を見学しに行ってきました!

 
  
  
  
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この家にまず最初に出会うのがこのヴェルディの像。
これは1913年10月10日、ヴェルディ生誕100周年を記念して建てられました。
  
  
この像のヴェルディは後ろで手を組んでいるのですが、このポーズは「私は偉くありません、当然のことをしただけです。」という意味がこめられているのだそうです。
  
  
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こちらが音楽家憩いの家です。
  
1899年12月16日に出来上がり、ヴェルディが亡くなった後の1902年から施設の利用が始まりました。
  
  
なぜ、施設が出来上がりながら、ヴェルディが亡くなった後にその利用が始まったのかというと、ヴェルディが生きている間に利用されると人々が彼の元にお礼を言いに来てしまうから
  
彼はそんな風に気を遣わずに利用して欲しかったのです。
  
  
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建物にはプレートがついています。
  
わたしたちがこの建物の前でうろうろしていると、近くにいた人たちが、「憩いの家を見学したいの?」と声をかけてくれました。
  
この方たちはここのボランティアの人たちで、この家について親切に詳しく説明してくれるんです!
英語も話せるので、イタリア語がわからなくても大丈夫。
  
  
門の中に案内してくれました。
  
部屋の中までは入れませんが、無料で見学することができます。
  
  
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門を入るとこんな感じで、胸像が並んでいます。
どの人も、ヴェルディにゆかりのある人なのだそうです。
  
  
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ここにはこの建物を建てる資金を寄付した人たちの名前が書かれています。
  
真ん中には、ピアニストのウラディミール・ホロヴィッツとその妻ワンダの名前が。
ワンダは名指揮者アルトゥーロ・トスカニーニの娘でもあります。
  
  
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この施設には生活するためのたくさんの部屋と、コンサートができるホールがあります。
  
  
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まっすぐ行った先にはこんなところが。
中に案内してもらいました。
  
  
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中にはヴェルディと、
  
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彼の2番目の奥さん、ジュゼッピーナが眠っていました。
  
  
この建物はヴェルディが亡くなる2年前に完成しましたが、ジュゼッピーナは1898年に亡くなってしまいこの施設の完成を見ることができませんでした。
  
27歳までに妻子を全てを亡くしていたヴェルディにとって彼女の存在はとても大きく、今も2人で仲良くこの場所に眠っています。
  
 
  
お墓の周りの壁には絵が描かれています。
  
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この絵には意味があって、右が「音楽」、左が「叙情」
  
  
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右が「悲しみ」で左が「イタリア」を表しているのだそうです。
  
  
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中心に書かれているのは「みんなのために泣いて愛す」
  
  
  
ボランティアの方々は本当に親切に案内してくれました。
  
今もこうやってヴェルディの思いが音楽だけでなく、このような形でも続いているのはすごいことですよね(*´v`)
  
Casa di riposo per musicisti

 
 

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この記事を書いた人

マソン優貴葉のアバター マソン優貴葉 クラリネット奏者

名古屋音楽大学を卒業後、フランスのムードン音楽院、ヴェルサイユ音楽院の最高課程を修了。
4年間のフランス留学を終え2019年に帰国し、現在は愛知県名古屋市を中心に演奏活動や、個人レッスン、音楽教室でのレッスンなど幅広く行っている。

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