交響曲第6番『田園』ができた場所!ベートーヴェンの散歩道を歩く
音楽の教科書にも必ず出てくるくらい有名な作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
彼が生まれたのはドイツのボンでしたが、ウィーンとのつながりも強く、22歳の時にウィーンに来てからは、亡くなるまでの35年間をウィーンで過ごしたのでした。
そんな彼が作曲した9つの交響曲の中の第6番『田園』の構想を得た場所、「ベートーヴェンの散歩道」が今も残っています。
その場所を訪れるため、ウィーンの郊外にあるハイリゲンシュタットへ行ってきました♪
そのころのベートーヴェン
ウィーンでのベートーヴェンは、ピアノ即興演奏の名手として活躍し、作曲家としても成功し、順調な音楽人生を歩もうとしていました。
しかし彼が20歳代後半になると、持病の難聴が悪化。
医者の勧めで、ウィーン郊外にあるハイリゲンシュタットという街で療養することになりました。
しかしそれでも良くならず、耳が聞こえなくなるという音楽家にとって絶望的な状況で、ベートーヴェンは自殺を考えました。
1802年、32歳の時に弟たち宛に書いたのが「ハイリゲンシュタットの遺書」です。
結局その手紙が送られることはなく、ベートーヴェンは芸術への強い情熱でこの状況を乗り越え、再び作曲を続けるのでした。
そして1804年に交響曲3番を発表したのを皮切りに、その後10年間は「傑作の森」と呼ばれ、彼は素晴らしい名曲をたくさん書きます。
そんな時期に作曲されたのが『田園』です!
『田園』ってどんな曲?

『田園』は1808年、ベートーヴェンが6番目に完成させた交響曲です。
この時代の交響曲としては異例の、5楽章で構成されていて、その全曲、全楽章に標題(タイトル)がつけられているんです。
さて、その標題ですが、
1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
2楽章「小川のほとりの情景」
3楽章「田舎の人々の楽しい集い」
4楽章「雷雨、嵐」
5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」

田舎の雰囲気を思い出させてくれる素敵な標題ですよね!
ベートーヴェンの散歩道への行き方
さあ、そんなベートーヴェンが『田園』の構想を得たという、ハイリゲンシュタットにあるベートーヴェンの散歩道へ向かいます。
ハイリゲンシュタットはウィーンの北の方にある街です。
ウィーンの中心地からトラムDに乗って30分ほどで、終点のNußdorf Beethovengang駅に着きます。
この駅が、ベートーヴェンの散歩道の最寄り駅です。
トラムを降りると、ウィーン中心に比べてだいぶ田舎で静かな、ハイリゲンシュタットの街が現れます。

乗っていたトラムの進行方向へ進むと、ベートーヴェンの散歩道への看板が現れます。

それに従ってどんどん進んで行くとたどり着きます。
実際に散歩してみる
さて、ベートーヴェンが実際に散歩していた道を歩いてみましょう♪

ベートーヴェンが歩いていたのは小さな小川沿いです。

田舎で静かな中に、鳥の鳴き声、小川のせせらぎが聞こえます。
こうやって聞こえてきた自然の音を、音楽にしてしまったなんて、、
本当にすごい人だったんだなあと改めて感じます。

葉っぱに埋もれて小屋があったりも。

この辺りは高級住宅地だそうで、散歩道沿いには、門から家に入るまでどんだけ歩かなきゃいけないの?ってくらい、広くて素敵なお家ばかりが並んでいました。

ベートーヴェンはこの道を歩いたことで、あんなに素敵な曲を書いてしまったと思うと、改めてそのすごさを感じます。

『田園』を実際に聴きながら歩くと、この景色と雰囲気は本当に曲にぴったりでした!
あの偉大な作曲家もここを歩いていたんだと思うと、ほんの1ミリでも、『田園』という曲に近づけたような気がして、なんだか嬉しい気持ちでいっぱいでした。
まとめ
ベートーヴェンの散歩道は、何か特別なものを見られるわけではありませんが、名曲ができた場所を実際に歩いてみると、作曲家の気持ちに少しでも近づくことができるんじゃないかと思います!
機会があれば是非、天気の良い日にここを散歩してみてください(*^ ^*)