ヤマハの防音室【アビテックス】をレンタル!使い心地やお値段、苦情などの体験談を語ります
「楽器を練習したいけど、ご近所迷惑になるから家ではできないんだよね、、」
という方も多いと思います。
そんな時に便利なのがヤマハの防音室「アビテックス」!
自分の家の好きな場所に設置できて、好きな時に練習できる便利なものです。
わたしは、家でクラリネットの練習をするために、アビテックス『セフィーネNS』の1.2畳をレンタルし、現在はリース期間が終了して、私物として利用しています。
レンタル中に2回の引っ越しを経て、3か所の賃貸アパートで利用するという経験もしました。
アビテックスの購入やレンタルを検討されている方は、
- 使い心地はどうなの?
- ご近所さんから苦情がきたりしないの?
- 賃貸でも置けるの?
など、気になることもたくさんあると思います。
ということで、わたしが実際にヤマハのアビテックスを使った感想や、実際の体験談を書いてみたいと思います。
アビテックスとは?

アビテックスとはヤマハの防音室の商品名で、“防音と音場(音の響き)が心地よさをつくるために整えられた環境“のことです。
音には、美しさがあります。その美しさを味わうには、単に音を遮ることだけではなく、美しい音が心地よくきこえる「音の環境づくり」が必要になってきます。
それが、ヤマハがアビテックスを通じておとどけしているもの。 防音と音場(音の響き)が心地よさをつくるために整えられた環境です。
https://jp.yamaha.com/products/contents/soundproofing/about-avitecs/index.html
アビテックスは音楽のためだけでなく、静かな場所で仕事を集中してやりたい人にも便利な空間なのです。
設置する部屋のサイズや使用用途によって、いろいろな種類から選べます。
どのくらい音がカットされるの?

アビテックスの音の遮断性能は、3タイプあります。
- Dr-30→ボーカルやウクレレにおすすめのベーシック
- Dr-35→ピアノが日常会話程度の音量まで下がるスタンダード
- Dr-40→トランペットやサックスなど大音量にも対応した高遮音
この中から、自分の目的に合ったものを選ぶことが大切!
気をつけたいことは、アビテックスは中の音を外に全く聞こえないようにするというわけではありません。
楽器の大きな音を、人の話し声やテレビの音量などといった、日常の音量にカットしてくれるものです。
アビテックスが音量をカットしてくれて、さらに部屋に壁やドアなどがあることによって、どんどん音量がカットされ、家の外にはほとんど聞こえない状態にしてくれるのです。
アビテックスの広さとレンタル料金
アビテックスの広さは4種類あります。
- 0.8畳→クラリネット、オーボエなど管楽器の立奏や、声楽の練習に適したサイズ
- 1.2畳→フルートやサックスなど、腕の動きが自由で余裕をもって演奏できる
- 1.5畳→チェロなど弓を使う弦楽器も、椅子に座ってゆったり練習できる
- 2.0畳→アップライトピアノにピッタリのサイズで、管楽器や弦楽器の練習にも利用できる
どういう目的でアビテックスを使いたいのかや、月々のレンタル料金などを考えながら、どの大きさが自分に合っている広さを選びます。

アビテックスの広さによってできることがだいぶ変わってくるので、慎重に選ぶことをおすすめします!
比較しやすくするために、表にまとめてみました!
(レンタル料金は、2023年12月現在、遮断性能D35で、エアコンなしのお値段です)
0.8畳 | 1.2畳 | 1.5畳 | 2.0畳 | |
外形寸法(mm) | 1002×1443×2069 | 1443×1443×2069 | 1443×1884×2069 | 1884×1884×2111 |
室内寸法(mm) | 884×1325×1923 | 1325×1325×1964 | 1325×1766×1964 | 1766×1766×1921 |
本体重量(kg) | 294,00 | 322,00 | 376,00 | 505,00 |
新品のレンタル料金 (税込/1ヶ月) | 17600円 | 19470円 | 22110円 | 31020円 |
解体費 | 29700円 | 33000円 | 49700円 | 46200円 |
解体時運送料 | 24200円 | 24200円 | 24200円 | 30800円 |
お店でアビテックスを体験してみよう!
アビテックスの防音室は、ヤマハのお店に設置してあるので、その使い心地を確かめることができます。
(ある店舗とない店舗があるので事前に確認しておきましょう。)

わたしはレンタルをする前に、名古屋ミュージックアベニュー伏見さんへ行って、『2畳のボックスの防音室』と『防音にした部屋のモデル』の2種類を体験させていただきました!
わたしがお店に行って実際にできたことは、
- パンフレットをもらって、アビテックスの説明を聞く
- アビテックスの中の見学
- 中でピアノの自動演奏を流したまま、扉を閉めて外で聞く
- 自分のクラリネットを持ち込んで、アビテックスの中で吹いてみる
お店の方は、とても丁寧に説明してくださり、わかりやすい!
わたしの聞きたいことや音に関して不安なことなどにも、細かく教えてくださいました。
そして、ピアノの自動演奏を外で聞いてみると、本当にテレビの音量くらいになって聞こえたので、とても安心しました。
さらに、実際にクラリネットをアビテックスの中で吹かせてもらえたことで、音の響きだったり、部屋の広さの感覚などが掴めたので、お店で体験できたことは本当に良かったです。
レンタルアビテックスのシステム
アビテックスのレンタルは、4年間レンタルすると購入したことと同じになる、リースのシステムになっています。
レンタルは15ヶ月以上からで、それ以降は必要なくなれば返却ができ、4年が経過すれば自然に自分のものになります。
音レントでレンタルできるアビテックスは「中古」と「新品」があります。
中古はお値段が安いのですが、人気なのですぐに売り切れてしまい、在庫の種類があまりないことが多いです。
アビテックスの注文から設置までの手順
アビテックスをレンタルすることが決まったら、早速注文してみましょう!
注文から、設置までの手順をご紹介します。
「防音室レンタル」から、レンタルしたい種類を選びます。
新品か中古か、広さや音の遮断性能、エアコンの有無など、よくチェックして選ぶようにしましょう。
「お申込手続きへ」から必要事項を記入して申し込みをします。
注文してから約1ヶ月後に設置しにきてくれるので、その日にちを選んで完了!
設置の日が近づくと、時間や設置場所などの確認のために、電話がかかってきます。
設置の時間は、事前におおまかに決めておいて、前日にまた電話がかかってきて、細かい時間のお知らせがありました。
アビテックスを設置してもらう
わたしが初めてアビテックスを設置してもらったときの様子をご紹介します!
今回わたしが設置してもらったのは、セフィーネNSの1.2畳Dr-35の新品です。
設置してもらった建物は、
- コンクリート製のアパート
- 下の階なしの2階
- エレベーターあり
わたしがアビテックスを設置してもらった場所は、こんな感じの部屋の角。
当日は業者の人が2人来てくれて、まずはアビテックスを設置する位置を決めました。
大体は決めていたので、天井の高さや幅などを確認。
そして組み立てる前に、ドアと換気扇を設置する位置を決めます。
家の窓の位置や部屋の形によって良い位置が違うそうで、業者の人がアドバイスしてくれます。
ドアの方からは音が漏れやすいので、ドアをつける方面はご近所さんがいない方がいいんだそうです!
わたしが他の部屋でゆっくりしている間に、業者の人たちが部品を運んで組み立ててくれます。
業者さんが来てから、組み立てが全部終わるまで約3時間でした。
立派な防音室の完成!!
アビテックスの使い方
アビテックスの中はこんな感じ。
譜面台を置いて楽器を吹いても余裕の広さです。
床は絨毯がひいてあって心地良い♪
音吸収パットが2つの壁についていて、これが音を吸収してくれます。
コンセントをさすところは2つありますが、海外の設計ミスで2つ一気にはさせないそうです笑
電気はLEDなので、交換不要。
明るいのと薄明かりの2段階切り替えられます。
ドアをしっかり閉めると、音も逃げていかない代わりに、空気も入ってきません。
なので、アビテックスを使うときは、外側についている換気扇のスイッチを入れます。
換気扇の強さは強と弱があって、強は少し音がうるさいので、弱で使っていいそうです。
音漏れや苦情の心配は?

わたしはアビテックスをレンタル中に2回の引っ越しを経て、3か所のアパートで使いました。
- 真下に部屋がない2階
- 3階
- 1階
この3つのアパートで、①と③は特に何もなく練習ができたのですが、②の3階のアパートに住んでいるときに、苦情がきてしまい、最終的に引っ越すことになってしまいました。
苦情を言われたのはすぐ下の階の住人から。
このアパートに引っ越してきたときは、たまたますぐ下の階に住んでいる人はいなくて、1年間ほど何の苦情もなく練習ができていました。
しかし、下の階に人が住むようになってからは、「楽器の音が毎日うるさくてストレスになるので、やめてほしい」と管理人さん伝いに言われてしまいました。
ここのアパートに住むことを決めるときに、アビテックスを置いて楽器を演奏していいか確認をとったのですが、それでも度重なる苦情から、管理人さんもやっぱりダメと言わざるをえなくなってしまったのです。
管理人さんは、同じアパートの他の階の住人の方にも確認をとってくださったのですが、他の方は特に楽器の音は聞こえないとのことでした。
この経験から、あくまでわたしの考えですが、アビテックスを置くなら下の階に人が住んでいないところだと苦情がきにくいのかなと思います。
なので次は1階のアパートに引っ越し、それ以来は一度も苦情はきていません!
アビテックスの使い心地

わたしはアビテックスの中で立ったり、椅子に座ったりしてクラリネットを練習していますが、1.2畳はちょうど良く、少し広いかなとも思うくらいでした。

でも一回り狭い0.8畳だと、クラリネットを練習するのにはちょっと窮屈なのかなと思います。
反響して自分に聞こえる音は、部屋が狭いのでやっぱり少し響きは多くて、コンクールなどに提出するようなちゃんとした録音をするのにはあまり向かないかなと思いますが、練習する分には問題ありません。
アビテックスの中は密室なので、寒い日にヒーターを使うと、あっという間に温かくなります。
反対に暑い日は熱がこもりやすいので、夏のエアコンなしのアビテックスの中はサウナ状態になります笑
まとめ
好きな大きさや種類を選べて、とっても便利なアビテックス。
長い目で見ると、カラオケやスタジオに通って練習するよりはずっと安い!
家で練習したいけどできない方は、是非一度楽器屋さんにアビテックスの体験に行ってみては?