クラリネットの歴史〜クラリネットっていつできたの?
クラリネットという楽器をご存知でしょうか?
ピアノやフルート、サックスなんかに比べると普段は見ることの少ない楽器ですが、吹奏楽やオーケストラなどではよく使われる楽器です。
今回は、わたしも吹いているこのクラリネットの歴史について書いてみたいと思います!
クラリネットはいつできたの?
クラリネットは木管楽器の中では比較的新しい楽器なのです。
クラリネットは今から約250年前の1700年ごろに、ドイツのニュルンベルクの楽器製作者ヨハン・クリストフ・デンナーさんが作りました。
その前は、「シャリューモー」というクラリネットに似た楽器がありました。
こんな楽器です。
なんかリコーダーみたいで、キィが2つしかないですね。
18世紀後半まではこのシャリューモが主にオーケストラで使われていました。
そして、これを改良してできたのが「クラリネット」という楽器。
キィを取り付けて、穴の位置を変えたり増やしたりして、シャリューモに比べるとだいぶ音域が広がり、当時の音楽に適した音が出せるようになったのです。
あの名作曲家のお気に入りに
この楽器を気に入ったのが、きっと誰でも一度はその名前を耳にしたことのあるであろう作曲家、、
モーツァルト!
彼は当時、名クラリネッティストだったシュタットラーの音に感動し、名作クラリネット協奏曲やクラリネット五重奏曲を書きました。
これが本当に美しい曲です!
レストランやコンビニなどでもよくかかっているので、知らない方でももしかしたら自然に聴いているのかも?
ドイツ式とフランス式
その後19世紀の初め、ドイツ人のミュラーが13個キィがついたクラリネットを開発しました。
これが「エーラー式」のクラリネット!
こちらはドイツ式とも言われ、現在もドイツではこちらが主に使われています。
そして一方フランスでは、1839年にクラリネット奏者クローゼがビュッフェと協力して「ベーム式」という、フランス式のクラリネットを開発しました。
日本ではベーム式クラリネットが使われることが多いですね!
左がベーム式、右がエーラー式のクラリネットです。
よく見ると少し形が違うのがわかりますか?
エーラー式はダークで温かい音が、ベーム式は軽くて華やかな音が出ます。
やっぱり、楽器を作るときにもその国の性格が出るんですね笑
クラリネットの仲間バスクラリネット
クラリネットと言うとB♭というクラリネットが一般的ですが、それよりも1オクターブ低い音がでる大きなクラリネットをバスクラリネットと言います。
最初にバスクラリネットが使われていたのはフランス。
18世紀末ごろのことで、まだその頃は楽器として成功しておらず、色々と改良されました。
そして1838年。
今のような形のバスクラリネットが完成。
これを製作したのは、アドルフ・サックスさん!
アドルフ・サックスさんは、サックスを作った人です!
彼がバスクラリネットの設計で特許を取ったのは、彼がまだ20歳のころでした。
なので、バスクラリネットは出来てからまだ200年も経っていないという、本当に最近の楽器なのです。
まとめ
例えば、フルートの先祖は旧石器時代からあったし、オーボエは古代エジプトの壁画にも描かれているくらい古く、そんな他の管楽器たちに比べると、クラリネットという楽器はだいぶ新しいです。
温かい音色で、人の声にも近いと言われるこの楽器。
機会があれば、是非クラリネットのコンサートを聴きに行ったり、吹いてみたりしてみては?