クラリネットってどんな木でできてるの?
クラリネットは木でできた木管楽器の仲間ですが、クラリネットはどんな木で作られているかご存知でしょうか?
クラリネットの温かい音色を作り上げている木は、一体どこからきて、どんな性質があるのでしょう?
今回はクラリネットを作るための木について書いてみたいと思います!
クラリネットは何ていう木でできてるの?
現在使われているクラリネットのほとんどは、「グラナディラ(アフリカン・ブラックウッド)」という木でできています。
グラナディラはこんな木です
(写真:http://pza.sanbi.org/dalbergia-melanoxylon)
グラナディラは、アフリカの熱帯季節林に育つマメ科の木です。
木は7mほどの高さになり、枝は灰色の樹皮ととげで被われ、白くて小さな花がつきます。
(写真:http://pza.sanbi.org/dalbergia-melanoxylon)
小さな花と丸っとした葉っぱはかわいいけど、トゲに刺さると痛そうですね、、
ぱっと見は普通の茶色い木ですが、断面は真っ黒!
クラリネットの黒さはここからきているんですね。
どんな性質があるの?
グラナディラはとても硬い木です。
金属を削るのと同じやり方をしないと削れないくらいのものすごい硬さなんだとか。
そして、水に沈むくらい重い!
変動が少なく、耐久性、保存性も高いという、素晴らしい木です。
古くエジプトの時代から家具の製造業者がこの木材を高く評価し、商船の底荷(バラスト)としても用いられてきたんだそう。
音響的にも優れた特性をもつので、クラリネットやオーボエといった木管楽器に加え、バグパイプやギターにも使われています。
昔は黒檀を使っていた
昔はクラリネットを作るために、黒檀(こくたん)が使われていました。
(写真:https://cameroontimberexport.com/product/ebony-black-ebony-wood-logs/)
断面はグラナディラとそっくりですね。
しかし、黒檀は吸水性があって楽器にはあまり適さないということで、1900年代ごろから乾燥後に吸水性がほとんどないグラナディラへと変わっていきました。
グラナディラは黒檀よりずっと堅く緻密で、重厚感があります。
見た目は両方とも黒くて似ていますが、黒檀は東南アジアに生息するカキノキ科で、グラナディラは南アフリカのサバンナ地方に生息するマメ科という、全然違う種類の木なんです。
クラリネットの音としては、黒檀は若干の倍音を含んだ上品な音で、グラナディラは倍音をほとんど含まず、小さな音から大きな音まではっきりと鳴るのが特徴なんだそうです。
グラナディラが絶滅する??
グラナディラは、楽器を作るためにとても大切な木です。
しかし、残念ながら現在グラナディラは、IUCNレッドリストで「準絶滅危惧種」に分類されています。
それはなぜかというと、楽器を作るためにはグラナディラの中でも5~10%程度しかないとても良い部分しか使うことができず、それを求めてたくさんのグラナディラが伐採されてしまったからです。
グラナディラは成長するまでに70~100年かかります。
この先もこの貴重な資源を維持し続けていくには、大切に扱っていくしかないのです。
グラナディラの良い響きをこれからもみんなで守っていきたいですよね!
まとめ
現在のクラリネットの木はグラナディラですが、残念ながらグラナディラは枯渇しています。
クラリネットを他の素材で作る研究もたくさん行われているようです。
そんな事実を知って、今自分が持っているクラリネットや自分の周りにあるクラリネットをもっと大切に扱って、グラナディラならではの音色をもっと楽しんでいきたいですよね!