クラリネットで色々なアーティキュレーションを表現してみよう!アーティキュレーションのつけ方を解説

クラリネットを上手く演奏するためには、「スラー」や「スタッカート」「アクセント」など、様々な「アーティキュレーション」を吹き分けることが大切です。
楽譜には色々な指示が書かれていて、それをしっかり表現してあげることで、演奏がより立体的になります。
ですがこれが意外と難しくて、なかなか上手くいかないことも多いんです、、
ということで今回は、クラリネットのアーティキュレーションのつけ方を書いてみたいと思います♪
アーティキュレーションって?

アーティキュレーションは、演奏の表現を豊かにするために、音一つ一つやまとまりごとに記号がつけられていて、音のつながりや切り方、強さなどを指示してくれるものです。
アーティキュレーション(articulation)とは、音楽の演奏技法において、音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アーティキュレーションは、作曲者が奏者に「こうやって演奏してほしい!」という想いを楽譜に載せたものでもあるので、正確に演奏することが大切!
同じ記号でも楽器によって奏法が違うので、その楽器ではどうやって演奏するのかを知っておく必要があります。
アーティキュレーションはどんな種類がある?

アーティキュレーションは様々な種類がありますが、その中からよく出る基本のものをご紹介します!

記号を見たらすぐに反応できるように、しっかり覚えておきましょう!
スラー | なめらかに |
スタッカート | 音を短く切って(1/2くらいの長さ) |
メゾスタッカート | スタッカートより少し長く(3/4くらいの長さ) |
スタッカーティッシモ | スタッカートより短く(1/4くらいの長さ) |
アクセント | 強調する |
アクセンティッシモ | アクセントより強く |
テヌート | 音の長さを十分に保って |
クラリネットでの演奏方法

アーティキュレーションの種類がわかったところで、それぞれのアーティキュレーションをクラリネットではどうやって演奏するのかをご説明します!
1. スラー

音をなめらかに演奏する「スラー」をクラリネットで表現するためには、常に息を流し続けながら演奏します。
スラーがついている間は基本はずっと息を入れ続け、離れた音でも途切れたりガタガタになってしまわないようになめらかに演奏します。

スラーの途中で息が足りなくなったときは、もちろんブレスをしても大丈夫ですが、音楽の流れが止まらないように注意しながらブレスをすると良いです♪
スラーが切れたところは、舌を付いてタンギングを入れたり、ブレスをしたりすることでスラーとスラーを分けます。
2. テヌート

「テヌート」は、ベタベタした感じや重々しい感じを出したいときに使われることが多いです。
音を十分に保ってという意味なので、その音が示す長さ目一杯に保って演奏します。
テヌートをクラリネット演奏するときは、音と音の間にほんの一瞬だけ舌をついてタンギングをします。
舌をついても、息はしっかりと流し続けることで、音を十分に保つようにしましょう!
3. スタッカート

「スタッカート」は、音を短くするアーティキュレーションで、軽い雰囲気を出したいときなどによく使われます。
スタッカートはたいてい書いてある音の1/2くらいの長さにするのが一般的です。
クラリネットでスタッカートを演奏するためには、リードに舌をつく時間を長くしたタンギングをします。
リードに舌をついて音が出ていない時間をつくることで、音が短くなり、スタッカートが出来上がります。

スタッカートは息のスピードが大切!
舌をついて音が出ていない瞬間も常に圧をかけ続けると、はっきりとしたスタッカートになります。
通常のスタッカート以外に、「メゾスタッカート」や「スタッカーティッシモ」というのもあり、基本は同じようにタンギングをして音を切りますが、音の長さが少しずつ異なります。
メゾスタッカート

メゾスタッカートは、「スラースタッカート」とも言われたりしますが、スラーとスタッカートが両方書かれていて、スラーとスタッカートの両方を同時にやるような感じです。
スタッカートよりは長く、本来の音の3/4くらいの長さで演奏することが多いですが、曲の雰囲気やその場面に合った長さで演奏するのが一般的なので、絶対この長さでなければいけない!というのはないです。
スタッカーティッシモ

スタッカーティッシモは、通常のスタッカートのさらに半分の長さで、とても鋭い音になります。

スタッカーティッシモは、さらに息のスピードが必要になります!
4. アクセント

「アクセント」は、その音を強調させたいときにつけるアーティキュレーションです。
テヌートのように音を十分に保つのと違って、アクセントは、音の終わりをほんの少しだけ消えるように処理します

音の中で、アクセントの記号「>」のようにするイメージです。
クラリネットでアクセントを演奏するためには、タンギングをして音を切るのと同時に、お腹を使ってポンプのように息を送り込むこともします。
アクセントを表現するために、タンギングだけを強くしてしまう方がいらっしゃいますが、音が潰れてしまったり、発音が汚くなってしまうこともあるので、息をしっかり送り込むことを忘れないようにすると良いですね!
アクセンティッシモ

アクセンティッシモは、アクセントをさらに強くするアーティキュレーションです。
さらに強くするためには、アクセントに比べてさらに息の量を増やしたり、息のスピードを上げることでアクセンティシモを表現します。

そのときに、アンブシュア(口の形)が変わらないように気をつけましょう!
アーティキュレーションのついた楽譜
色々なアーティキュレーションを覚えたところで、アーティキュレーションのついた箇所のタンギングの入れ方を、下の例の楽譜を見ながら考えてみます!
赤い部分が、リードに舌をついている時間です。

スタッカートは音が短くなるので、リードに舌をついている時間も長くなります。

アーティキュレーションをはっきりつけてあげることで、作曲者の想いが聴いている人に伝わりやすくなるので、細かく確認しておくと良いですね!
特に速いパッセージの中で、細かいアーティキュレーションをつけるのはとても難しいのですが、舌や息を上手く使いながら演奏できれば、曲がさらに立体的になって、かっこよく演奏することができます!
まとめ
アーティキュレーションは、作曲者が書いたとても大切なものです。
細かいところまでしっかりチェックして、楽器で表現していきましょう!